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飲用水の安全性とは?

[2013.10.1更新]

 皆様は、日常の飲用水としてどのような水を使用していますか?
 家庭で飲む水について質問したところ、72%の人が水道水、39%の人がペットボトル等で市販されている水と回答したそうです。水道水を飲用している人にその飲み方を質問したところ、38%の人がそのまま飲む、36%の人が浄水器等を通して飲むと回答したそうです(「平成25年度 水にかかわる生活意識調査」(ミツカン水の文化センター)からの引用)。
 皆様も、飲用に“水道水”、“井戸水”、“水道水に浄水器をつけて”、“ミネラルウォーター”、“湧水”、“その他それぞれの好みで”など、様々な水をお使いと思います。
 
では、飲用水には何を求めますか?      
         
 「安全性?」「おいしさ?」「健康増進(ミネラルの補給等)?」でしょうか?
 ここでは、「飲用水の安全性」を中心に、水道水、井戸水、ミネラルウォーター、浄水器について紹介します。
         
 
  1. 水道水について
  2. 井戸水について
  3. ミネラルウォーターについて
  4. 浄水器について
     
       
1.水道水について
 私たちは水道の蛇口をひねるとき、たとえどんなに「北海道の水が飲みたい!」と思っても、そこから出てくるのはその地域に配水されている水道水です。自分で品物を見ながら購入できる食品や清涼飲料水等と違って、消費者は水道水のブランドを選ぶことはできません。そのため、日本全国どこの水道水でも同様の安全性を確保できるように、水道法によって50項目に及ぶ厳しい水道水質基準項目が定められ、水道事業者は水質基準を満たした水道水を供給することが義務づけられています。さらに、「水道水質管理上、注意喚起すべき項目」として27項目(146物質)の水質管理目標設定項目が定められ、この項目についても水道事業者は濃度の監視を行い、目標値を満足するように努めています。また、分析法や毒性評価が定まらない、浄水(水道水)中の存在量が不明といった理由で水道水質基準項目や水質管理目標設定項目に分類できない要検討項目が定められ、これらの課題を解決するために水道事業者をはじめ様々な研究機関が調査・研究を行っています。水道水質基準項目、水質管理目標設定項目、要検討項目は毎年見直しが図られ、最新の検出状況、毒性評価等を考慮して追加や削除、基準値・目標値の変更が行われています。さらに、通常は検出されないものの、万一水道原水(水道水のもとになる水)に混入した際に多大な影響を及ぼす物質(ヘキサメチレンテトラミン等)を、上記の基準体系とは別に「水道危害項目(仮称)」として設定することが検討されています。 水道水について
       
2.井戸水について 
 井戸水(地下水を飲用目的で汲み上げた水)の水質基準については、法的には定められていません。では、井戸水の安全性はどのように確保されているのでしょうか?
       
挿絵
厚生労働省では    
   都道府県等に、飲用を目的とする井戸設置者等に対して、定期及び臨時の水質検査(水道水質基準項目又はその一部)を行うように指導することを求めています。
神奈川県では    
   こうしたことから、「神奈川県飲用井戸衛生管理要綱」及びリーフレット「井戸水を飲用している皆様へ」等を作成して、水質検査を実施することを指導や啓発を行っています。
         
井戸水については、次のような特徴がみられます。
 
  • 平成16年度の厚生労働省の調査によると、定期的に水質検査を実施しているところは、約6%に止まっています。こうしたなかで、水質基準に適合しない井戸水も多く、一般細菌数等の不適が26%、重金属等の不適が7%という結果となっています。
  • また、塩素消毒を行わずに使用している井戸水も多く、過去15年間の飲料水に関わる健康被害の約8割は、個人家庭用の井戸水や地下水を利用した専用水道で、その原因の多くは消毒不備となっています。
 
(平成19年度相模川・酒匂川水道協議会儀講演会資料より)
         

井戸水を飲用の目的で使用するときの注意

  • 水質検査を必ず受けましょう!
  • 一度沸騰させてから使用する。または、塩素消毒して水を使いましょう!
  • 塩素消毒に使用する薬剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液)は、直射日光に当たったり、高温の環境下で保存したりすると、分解して塩素酸を生じます。分解が進んで塩素酸濃度が高くなった薬剤を消毒用に注入すると、飲用水の塩素酸濃度が水道水質基準値を超過してしまう恐れがあります。消毒用薬剤は冷暗所に保管し、定期的に取り替えるようにしましょう。
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3.ミネラルウォーターについて
@ ミネラルウォーター類については、農林水産省が、「ミネラルウォーター類(容器入り飲用水)の品質表示ガイドライン」(2食流1071号平成2年3月30日制定、7食流398号平成7年2月17日改正)を制定しています。
このガイドラインでは“ミネラルウォーター類とは「地下水等のうち、飲用適の水を容器に詰めたものに適用する」となっており、“品名・原材料名・内容量・品質保持期限・保存方法・採水地・使用上の注意・使用方法・製造者名”を一括表示することとしています。ミネラルウォーター類は原水(もとになる水)やその処理方法の違いで次の4種に分類されます。
写真 ミネラルウォーター類
         
<ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン>   (農林水産省)
品名 原水 処理方法
ナチュラル
ウォーター
特定水源より採水された地下水
沈殿、濾過、および加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの
ナチュラル
ミネラル
ウォーター
特定水源より採水された地下水のうち、地下で滞留または移動中に無機塩類が溶解したもの
ミネラル
ウォーター
ナチュラルミネラルウォーターを原水としたもの 沈殿、濾過、および加熱殺菌以外に次に掲げる処理を行ったもの
 ・ 複数の原水の混合
 ・ ミネラル分の調整
 ・ ばっ気処理など
ボトルド
ウォーター
(または飲用水)
ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーター、ミネラルウォーター以外のもの
(純水、蒸留水、河川の表流水、水道水)
処理の方法の限定なし
         
A  ミネラルウォーターの安全性の確保に向けて    
  厚生労働省では、ミネラルウォーター類(製品)について、食品衛生法において食品としての成分規格を定め、安全性の確保を図っています。
       
<製品に対関する基準>      
@ 混濁を認めないこと
A 沈殿物を認めないこと
B ヒ素、鉛、カドミウムを検出しないこと
C スズは150.0ppm以下であること
D 大腸菌群は陰性であること
  二酸化炭素圧力98kPa(20℃)未満でかつ殺菌又は除菌をおこなわないものは、上記に加えて
E 腸球菌は陰性であること
F 緑膿菌は陰性であること
         

現状では設定されている成分規格は上記項目のみですが、水道水質基準項目との違いが大きいため、成分規格を大幅に拡大することが現在検討されています。

         
ミネラルウォーターは、開封後は早めに飲みきりましょう
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4.浄水器について

 水道の蛇口に浄水器を取り付けて、飲料水として使用されている方もいるでしょう。
 では、浄水器にはどのような種類があり、安全性は、どのように確保されているのでしょうか。

◎ 安全性、性能等を確保するために浄水器についての規格基準、規定等が設けられています。

写真 浄水器
○浄水器に起こりうる問題
1. ろ材を長期間交換しないでいると、中に溜まった成分(水道水からこし取った成分)が再び溶け出して元の水道水より高い濃度になることがあります。
浄水器を通した水のトリハロメタン濃度の変化
図 浄水器を通した水のトリハロメタン濃度の変化
(通す前の水道水中濃度を100%として比較)
   
2. 使用されている活性炭で残留塩素が取り除かれるため、浄水器中に滞留した水は細菌が繁殖する可能性があります。
浄水器(試料数不明)を通した24時間滞留水中の直後と2分すて水後の一般細菌数
図 浄水器(試料数不明)を通した24時間滞留水中の直後と2分すて水後の一般細菌数
(国民生活センター、1991年「たしかな目No62」を参考)
         

浄水器の使用上の注意!

  • 使用説明書をよく読みましょう。
  • 定期的にろ過材(カートリッジ)の交換をしましょう。
  • 浄水器に長時間溜まった(朝一番の)水は捨てましょう。
  • 浄水器を通した水は早めに使いましょう。
  • お湯を浄水器に通さないようにしましょう。(使用可能な機種もあります)
         
       
浄水器の種類      
         
         
       
浄水器についての規格基準、規定等
  •  末端給水用具浸出溶液の基準(厚生労働省)   
     給水装置の構造及び材質の基準に係わる試験;アンダーシンク(ビルトイン)型
  • 浄水器JWWA S102(日本水道協会) 
     水道水栓に直結する浄水器(ポット型除く)についての規格基準
  • 家庭用浄水器試験方法JIS S 3201(日本工業規格、経済産業省)
     性能に関する試験方法
  • 家庭用品品質表示法の雑貨工業品品質表示規程(経済産業省)
     JIS S 3201 の結果等の表示義務
  • 浄水器協会自主規格基準(有限責任中間法人浄水器協会)

家庭用浄水器試験方法JIS S 3201

         
         
(理化学部 生活化学・放射能グループ)

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