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衛研ニュース     No.147      
化粧品について知っていますか?
〜化粧品の安全・安心な使用に向けて〜
2011年11月発行
神奈川県衛生研究所
   化粧品はどの家庭にもあり、老若男女を問わず広く使われています。しかし、国民生活センターによると2008年から2010年まで、毎年、危害情報商品のベスト3に化粧品はランクインしており、主に皮膚障害等が報告されています。

   普段何気なく使っている化粧品ですが、化粧品に対する正しい知識を持って使用しているでしょうか?そこで、化粧品による健康被害を起こさないために、化粧品についてお話しします。

 

化粧品の範囲

   私たちが一般に"化粧品"とイメージしているものには、薬事法で定められている「化粧品」と「医薬部外品」があります(図1)。

図1 薬事法での化粧品と医薬部外品の区分
   薬事法では、化粧品は「人の身体を清潔にし、美化し、容貌を変え、又は皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗布、散布その他これらに類似する方法で使用させることが目的とされているもので、人体に対する作用が緩和なものをいう」と定められています。
   また、医薬部外品は「吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止 、あせも、ただれ等の防止、脱毛の防止、育毛又は除毛を目的としており、かつ、人体に対する作用が緩和な物であって機械器具等でないもの」と定められ、薬用化粧品などが含まれます。
 

化粧品の成分

   化粧品には、様々な目的で多くの化学物質が配合されており、配合されている全成分を、おおむね配合量が多い順に容器や外箱に表示することが義務づけられています。人体に対する安全性を考え、配合してはいけない成分が定められている他、配合量が制限されている物質があります。

    医薬部外品では、アレルギーを起こす可能性がある成分を使用した場合のみ表示が義務づけられていますが、全成分の表示義務はありません。しかし、日本化粧品工業連合会は、医薬部外品も化粧品と同様に全成分表示するように自主的な取り組みを行っています。化粧品と医薬部外品の成分表示の違いについて、図2に示しました。
図2 化粧品と医薬部外品の表示
 

化粧品の効能の表示・広告

   化粧品は、薬事法で56項目の効能表示が定められており、効果を適正な範囲内で標榜することが認められています。しかし、オーバーな表現や本来の効能と認められない表現など、誤解を招く表現があった場合は取り締まりの対象になります。

 

最近話題になった化粧品による健康被害事例

  化粧品による健康被害の報告の多くは、皮膚障害によるものです。国民生活センターによると、2010年度に健康被害が報告された化粧品の内訳は、化粧セット、化粧クリーム、化粧石けんの順でした。最近問題になった事例について報告します。

火山灰を含む洗顔料(石けん類および薬用石けん)による眼粘膜損傷事例>
  火山灰由来の原材料が配合された洗顔料を使用し、眼に異物が入り、角膜等を損傷する事例がありました。その結果、2010年に、スクラブ剤や泥、火山灰等の不溶性成分を含有する石けん類及び薬用石けんで顔面に使用する製品については、使用上の注意事項を容器や外箱等に記載することになりました。

<加水分解コムギ末を含有する薬用石けんによるアレルギー発症事例>
  加水分解コムギ末を含有する薬用せっけんを使用したところ、顔にかゆみ等が現れるほか、小麦含有食品を食べた後に運動して、小麦依存性運動誘発性アナフィラキシー*を発症した事例が2010年に報告されました。その結果、加水分解コムギ末を含有する製品には、使用上の注意事項を容器や外箱等に記載することになりました。

*)アナフィラキシー:即時型アレルギー反応のひとつの総称で、多臓器に症状が現れます。
 

化粧品の安全・安心に向けて取り組んでいること

 

 衛生研究所では、化粧品の表示成分についての検査(@、A)を行い、不適切な商品が市場に出回らないように努めています。

 また、化粧品に配合される成分の分析方法の検討(B)や、生体に対する影響(C)についても検討しています。

@ 防腐剤の検査
  化粧品には、微生物の増殖を抑えて化粧品の劣化を防ぐために防腐剤を配合している製品があります。衛生研究所では、輸入化粧品などの防腐剤の成分や含有量について、検査しています。
A ホルムアルデヒドの検査
  ホルムアルデヒドは防腐剤の一種ですが、日本では配合禁止成分になっています。 2008年度に検査した輸入化粧品から、ホルムアルデヒドを検出しました。
B 紫外線吸収剤の検出方法の研究
  新規に認められた紫外線吸収剤の化粧品からの検出方法について研究を行いました。この試験法は、衛生試験法に収載されました。
C ナノサイズ二酸化チタンの研究
  二酸化チタンは、紫外線散乱剤として化粧品中に使われてきました。近年、ナノサイズ( 100nm * 以下)の二酸化チタン粒子が配合されるようになり、皮膚に与える影響が懸念されたため、ナノサイズの二酸化チタンの影響について研究を行っています。
  *) nm(ナノメートル):100万分の1ミリメートルの長さの単位をさします。
 
 

化粧品を安全に使うために

正しい使い方を確認しましょう。
  化粧品には、「お肌に合わないときは使用をおやめください」などの健康被害に関する注意や、「高温や直射日光をさけて保管してください」などの製品の保管に関する注意が記載されている場合があります。
これらの注意喚起表示は、化粧品によって引き起こされる可能性がある健康被害を防止するためのものなので、よく確認して使用しましょう。
配合成分を確認して使いましょう。
  化粧品には配合されている全成分が表示されているので、使用後に皮膚障害等が起こった場合、病院での原因究明等に役立ちます。これにより、使用者は原因物質が配合されている製品の使用を避けることができ、症状の再発を防止することができます。
個人輸入の化粧品に気を付けましょう。
  日本と外国では、化粧品の規制成分が異なる場合があります。従って、外国で買った化粧品や個人輸入した化粧品には、日本では認められていない成分が入っていることがあります。また、配合が認められている成分でも、配合量が多く、皮膚障害の原因となることがありますので、注意して使用しましょう。
情報を集めましょう。
  メーカーの情報提供などで、使用されている成分の目的や安全性について調べることができます。また、成分や表示に問題があり、自主回収された製品の情報もインターネットで調べることができます。
 
参考ホームページ
国民生活センター
厚生労働省(医薬品等安全性関連情報)
 
 化粧品を安全に安心して使うために、知っていただきたいことや気をつけていただきたいことをお話してきました。商品に対する正しい知識を持ち、自分にあった化粧品を選んで使用するよう心がけましょう。

(理化学部 宮澤 眞紀)

     
衛研ニュース No.147 2011年11月発行
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