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 神奈川県の麻しん

平成28年の神奈川県における麻しんの届出は8件で、昨年の7件より1件多い報告数です。

(1) 麻しんの男女別年次報告数の推移(神奈川県)

(2) 年齢群別・男女別報告数(神奈川県 平成28年)

(3) 麻しん患者における麻しんワクチン接種歴と年齢(神奈川県 平成28年)

(4) 麻しんの週別推移(神奈川県 平成27年、平成28年)

 

 

 感染経路

麻しんウイルスに感染した人の咳やくしゃみからの感染(飛まつ感染)、それらの水分が蒸発し、空気中に漂ったウイルスを吸い込むことによる感染(空気感染)、また感染者に接触することによって感染(接触感染)する場合があり、感染力が非常に強いことが特徴です。他人へウイルスを感染させる可能性のある期間は、症状が出現する1日前から発疹が現れた後約4〜5日目までで、そのうち最も感染力が強いのは発疹が出現する前のカタル期とされる期間です。

 

 

 症状

典型的な麻しんの経過は、大きく3つの期間に分類されます。

  • カタル期
    麻しんウイルスに感染してから、10〜12日後に38℃前後の発熱が現れます。同時に、咳・鼻水などの上気道症状や、眼の充血・目やになどの結膜炎症状が現れます。乳幼児では下痢や腹痛が生じることもあります。この時期に出現するコプリック斑と呼ばれる口腔内の白色の斑点は麻しんに特徴的な所見です。
  • 発疹期
    カタル期での発熱は2〜4日間続いたのち、一度37℃前後まで下がります。その後、半日ほどして再び高熱(多くは39℃以上)となり、それと同時に顔から体幹、手足に広がる発疹が現れます。発疹が現れてから、3〜4日間ほど高熱が続きます。
  • 回復期
    発疹が現れてから3〜4日間後に熱が下がり始めます。発疹も色が薄くなりますが、しばらくは色が残ります(色素沈着)。全体を通して、症状が現れてから回復するまでに7〜10日程度かかります。

 

 

 合併症

麻しんに感染することで免疫が低下し、他の細菌による感染を合併することがあります(二次感染)。主なものは肺炎(およそ20人に1人)と中耳炎(およそ10人に1人)です。通常の経過よりも長く症状が続くときは、これらの合併症が考えられます。他に、喉頭の炎症であるクループ症候群や、稀ではありますが脳炎(およそ1000人に1人)、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)(およそ10万人に1人)などの重篤な脳を合併する場合があります。

 

 

 診断について

麻しんは臨床症状のみでは診断を誤ることがあるため、検査所見とあわせた診断(検査診断)が行われるようになりました。
検査結果と、診断に必要な3つの症状(麻しんに特徴的な発疹、発熱、および咳・鼻汁・結膜の充血などのカタル症状)が揃っていれば麻しんと診断されます。
検査法には、血液、尿、のどのぬぐい液などから麻しんウイルスを直接検出する方法、あるいは麻しんウイルスの遺伝子を検出する方法、また血清による方法(麻しんウイルスに対するIgMと呼ばれる抗体が高値であることを確認する、または麻しんの急性期と回復期の抗体価が上昇していることを確認する)があります。
麻しんは他の発疹を伴う疾患との鑑別が難しいことから、国では検査による診断を推奨しています。検査診断はIgMによる検査が一般的でしたが、近年擬陽性例が多くみられることから、ウイルスの遺伝子を検出する方法を推奨しています。
医師から保健所へ届出があった場合には、保健所と衛生研究所が連携して遺伝子検査を実施し、検査診断を行っています。

 

 

 修飾麻しんについて

過去のワクチン接種の効果が弱まった場合など、麻しんに対する免疫が不十分な状態で麻しんに感染した場合は、より軽い症状や非典型的な症状となる場合があります。この場合を修飾麻しんといいます。感染力は典型的な麻しんに比べて弱いとされていますが、この場合も周囲の人へ感染させる恐れがあり注意が必要です。また感染症法に基づく届出が必要です。

 

 

 治療について

麻しんに対する特別な治療はありません。それぞれの症状に対しての対症療法が行われます。ただし、中耳炎・肺炎などの合併症があれば抗菌薬による治療が必要です。

 

 

 予防のために

麻しんは、ワクチン接種による予防がとても大切です。定期予防接種の第1期(生後12カ月以上24カ月未満の者)と第2期(5歳以上7歳未満の者であって、小学校入学前の1年間)に麻しん・風しん混合ワクチンの接種が行われています。ワクチン接種の回数が1回では、免疫の獲得が不十分となる場合や、年数の経過とともに免疫が低下することがあるため、2回のワクチン接種をきちんと受けることが大切です。

 

 

 参考リンク

国立感染症研究所

厚生労働省


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