細菌性赤痢

赤痢菌(Shigella )を原因とする感染症です。赤痢菌は、1897年に志賀潔によって発見され、学名がShigella と定められました。Shigella属は、細菌性赤痢の原因菌として日本で報告が最も多いShigella sonnei 、 途上国で報告の多いShigella flexneri 、比較的重度の症状が現れるShigela dysenteriae 、そしてShigella boydii の4つに分類されています。感染症法では全数把握対象疾患3類感染症に分類されています。また学校保健安全法では第3種の感染症に定められていて、診断された場合には感染のおそれがないとされるまで出席停止となります。

※全数把握対象疾患:診断したすべての医師が最寄りの保健所に届けなければならない疾患を指し、感染症法という法律で1類から5類までが定められています。

感染経路

赤痢菌に感染した人の糞便、またそれらに汚染された食品や水を摂取することによって感染します(経口感染)。症状が改善後も、1~2週間は便中から赤痢菌が検出されるため、注意が必要です。

症状

赤痢菌に感染してから1~5日後に、水様性の下痢、急な発熱、腹痛といった症状が現れます。腹部の症状としては、しぶり腹(強い便意があるにもかかわらず、なかなか排便できないこと)が特徴です。また、便にしばしば血液が混じります(血便)。多くの報告があるS.sonnei の感染では、症状が軽微または無症状であることも少なくありません。また、S.flexneri の感染では、2%程度に関節炎を合併することがあります。

診断について

感染者の便から、赤痢菌を検出することによって診断されます。逆に、菌が陰性であることを言うには、治療終了後2日以上経過してから24時間以上間隔をおいて便の2回検査を行い、いずれからも菌が検出されないことを確認する必要があります。

治療について

症状が軽い場合は、水分補給や整腸剤などの対症療法のみで治癒が期待できます。症状が重い場合、血便がある場合や、もともと免疫の低下がある場合には抗菌薬による治療が行われます。下痢を止める薬(止痢剤)を使用すると、かえって病状を悪化させる恐れがあります。

予防のために

食事の前後やトイレの後の、石鹸を使用した手洗いが予防に大切です。また、赤痢菌の発生がみられる地域では、生ものや生水の摂取を避けることが大切です。細菌性赤痢を予防するワクチンはありません。

参考リンク

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