神奈川県衛生研究所

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専門技術研修(学術講演)

公衆衛生に関わる分野で、行政及び調査・研究等を担当している職員に対し、その分野の専門家による最新の情報と討論の場を提供し、新しい知識、技術情報の修得を行う目的で開催しています。

平成29年度 平成28年度
平成27年度 平成26年度 平成25年度 平成24年度 平成23年度 平成22年度
平成21年度 平成20年度 平成19年度 平成18年度 平成17年度 平成16年度

平成29年度 専門技術研修(学術講演)

2.薬剤耐性菌の疫学と検査

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日 時:平成29年10月13日(金)15:30〜17:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:国立感染症研究所 薬剤耐性研究センター 松井 真理 先生

【内 容】
20世紀になって開発された抗菌薬は、感染症の治療に大きく貢献してきました。しかし、抗菌薬の使用に伴って、抗菌薬の効かない「薬剤耐性菌」が出現し、増加しています。薬剤耐性を獲得することは、菌にとっては生存戦略としてのいわゆる進化であり、どんな抗菌薬に対してもやがては耐性菌が出現します。人類は、薬剤耐性菌に対しても新しい抗菌薬を開発することで対抗してきました。このように、抗菌薬の開発は、人類と菌のイタチごっこの歴史でもあります。
ところが、現在は新しい抗菌薬の開発が滞りつつあります。その一方で、薬剤耐性菌は増加し続け、どんな抗菌薬も効かない病原菌も出現し始めています。これまでは、抗菌薬によって治療できた感染症であっても、薬剤耐性菌が原因であれば効果が期待できる抗菌薬が少なくなるため、抗菌薬による治療が難しくなりかねません。このような背景で、薬剤耐性対策は、世界的に取り組むべき課題の一つとして取り上げられるようになってきました。
今回のセミナーでは、薬剤耐性菌とは何か、なぜ薬が効かなくなるのか、どのように検査するのか、どのような取り組みがなされつつあるのかなどを紹介できればと思います。

1. LC-MS/MSを用いた食品の安全における微量分析

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日 時:平成29年6月22日(木)14:00〜16:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6 階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:横浜薬科大学 薬学部健康薬学科 教授 望月 直樹 先生

【内 容】
食品中の微量汚染物質は多岐にわたっており、残留農薬、残留動物用医薬品、カビ毒、容器包装からの溶出物、食品加工中に生成される発ガン物質等が挙げられる。これらの汚染物質から食品の安全を確実に保障するには、ppbレベルでの微量分析が求められる。
しかし、食品には、タンパク質、脂質、糖質、ミネラル等の多種多様な成分が含まれており、これらが夾雑成分となり分析を妨害する為、微量分析は困難を極める。食品中の微量汚染物質を精度良く分析する為には、様々な新規分析技術が開発されてきた。中でも、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)とタンデム型質量分析計(MS/MS)を組み合わせたLC-MS/MSは、適用範囲が広く、感度と選択性の点で優れており、食品分析には不可欠な分析装置となっている。
一般的の用いられているMS/MSは、2つの四重極型MSの間にイオン開烈させるコリジョンセルを搭載したトリプル四重極である。本装置では、イオン源で生成したプリカーサーイオンを選択して、更に、コリジョンセルで開烈した後、生成したプロダクトイオンを更に選択するという2段階のイオン選択を行う為、化合物選択性が高く、夾雑成分の存在化においても目的成分を精度良く検出することが可能である。
本講演では、LC-MS/MSによる食品中の微量汚染物質のターゲット分析について紹介する。

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平成28年度 専門技術研修(学術講演)

2.生活習慣病とアディポネクチン

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日 時:平成28年10月7日(金)15:30〜17:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:横浜薬科大学臨床薬学科薬物治療学教授 中野 泰子 先生

【内 容】
アディポネクチンとは脂肪細胞で作られ血液中に分泌されるタンパク質で、最近では長生きホルモンと呼ばれています。肥満、とくに内臓の周りに脂肪がたまっておなかが出ている内臓脂肪型肥満の場合、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を複数持ちやすく、また、内臓脂肪型肥満があり、高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの2つ以上がある状態をメタボリックシンドロームといい、これは心臓病や脳卒中などの動脈硬化性疾患をまねきやすい病態です。実は内臓脂肪型肥満の場合、脂肪細胞の肥大化により局所の血管が圧迫されて脂肪組織で炎症が起きています。これにより脂肪細胞でのアディポネクチン産生が低下して血液中のアディポネクチンが減ります。血液中のアディポネクチンは血液中の糖や脂肪を低下させ、また、血管を弛緩させることで血圧を低下させています。これが減ることで血液中の脂肪や糖が増え、血圧も上昇するという結果になります。すなわち、内臓脂肪は必要なのですが、ほどほどを大きく通り越してしまうと血液中のアディポネクチンが減って生活習慣病を引き起こしてしまいます。そこで、この大切なアディポネクチンとはどんなタンパク質か、どんなふうに働くか、どんな人で多いか、増やすにはどうしたらよいかについてお話ししたいと思います。

1. 動物の狂犬病調査ガイドライン作成の背景と進捗状況等について

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日 時:平成28年6月23日(木)14:00〜16:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6 階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:国立感染症研究所 獣医科学部第二室 室長 井上 智 先生
     日本獣医生命科学大学 獣医学部野生動物学研究室 講師 加藤 卓也 先生

【内 容】
狂犬病を清浄化した台湾で2013年7月17日に野生動物の狂犬病が報告されました。狂犬病はイタチアナグマに100年以上前から侵淫していたと報告されています。調査は積極的疫学調査であり獣医師等からの届出を待つ「受身」ではありませんでした。
これを受けて、平成26年8月4日に厚生労働省健康局結核感染症課から自治体の衛生主管部に『国内動物を対象とした狂犬病検査の実施について(協力依頼)(健感発0804第1号)』が通知され、全国で野生動物を含む潜在的リスク探知、狂犬病の発生がないまたは発生後の清浄化確認、積極的な清浄化の証明、組織だった野生動物の狂犬病調査を可能にする体制整備が進展しています。
WHOは「狂犬病のない国においても、動物の狂犬病調査を実施するのに十分な体制を維持して、国内に存在する感受性の高い飼育動物及び野生動物種について狂犬病を疑う症例のある場合には、標準化された検査法によって陰性を報告すべきである」としており、台湾事例は決して対岸の火事ではありません。
本講演では、海外の狂犬病情勢と国内対策の進捗等を『動物の狂犬病調査ガイドライン』、『狂犬病対応ガイドライン2001』、『狂犬病対応ガイドライン2013 −日本国内において狂犬病を発症した犬が認められた場合の危機管理対応−』と共に紹介いたします。

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平成27年度 専門技術研修(学術講演)

2. 福島第一原子力発電所事故における被ばく線量推定

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日 時:平成27年10月6日(火)15:30〜17:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6 階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:国立研究開発法人 放射線医学総合研究所  赤羽 恵一 先生

【内 容】
平成23年3月11日に東日本大震災・福島第一原子力発電所事故が起きてから、4年以上の年月が過ぎました。しかし、福島県では、現在も一部の方々が避難を余儀なくされていて、復旧作業はまだ継続されています。事故後、福島県と福島県立医科大学が、福島県民を対象として県民健康調査を実施していますが、その中の基本調査では、外部被ばく線量の推定が行われています。また、内部被ばくに対しても、専門家によって線量評価の取り組みが進められているところです。
事故を受け、放射線被ばくに対する一般の方々の関心は、非常に高くなってきました。実際、インターネット上では、現在も様々な情報が満ちあふれています。しかしながら、被ばく線量を表す指標には様々な種類があり、誤解を生じる原因になっています。更に、被ばくによる放射線影響や、放射線防護の考え方についても、必ずしも十分に理解されているとは言い難い状況です。
本講演では、原子力発電所事故直後から現在までの状況を、被ばく線量の種類と推定方法、被ばく線量と放射線影響の関係、医療被ばくなど種々の被ばくに対する防護の考え方を含め、ご紹介致します。

1. 感染症法改正に伴う病原体検査の信頼性確保に関わる検討状況について

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日 時:平成27年5月26日(金)14:00〜16:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6 階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:国立感染症研究所ウイルス第二部主任研究官 吉田 弘 氏

【内 容】
第187回臨時国会にて感染症法一部改正案は昨年11月14日に可決されました。本改正は@鳥インフルエンザH7N9、MERSを2類感染症へ追加、A感染症に関する情報の収集体制の強化を目的としたものです。感染症に関する情報収集体制の強化に関しては、今般、都道府県等が行う病原体検査について新たに感染症法上に規定を設け、季節性インフルエンザに関する積極的疫学調査、感染症患者等からの検体提出要請などの措置、病原体検査実施に関する規定などを定めることとしています。適切な感染症対策の実施には、病原体に関する試験検査による情報収集は非常に重要です。加えて、試験検査技術は複雑かつ高度化に進展しており、病原体検査においては技術の習得や検査機器などの適正な使用など、検査の質の確保も重要です。病原体検査等感染症に関する情報収集の強化に関する規定は平成28年4月1日に施行する予定です。平成27年夏に改正法に係る省令を公布するとともに病原体検査指針(仮題)等必要な技術的な文書を発出する予定としています。本講演では、現在進行中の各種検討作業の進捗について情報提供をさせていただきます。

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平成26年度 専門技術研修(学術講演)

2. マリンバイオトキシン (海産生物毒)による食中毒

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−今できること、やるべきこと−

日 時:平成27年2月13日(金)14:30〜16:30
会 場:神奈川県衛生研究所 6 階 大会議室
                   神奈川県茅ヶ崎市下町屋1- 3 -1
講 師:国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部 第二室室長  大城 直雅 先生

【内 容】
海産生物は重要な食糧資源であり、特に日本人は古より積極的に活用してきた。その一方で、フグに代表されるように、ヒトに対して食中毒をもたらす生物も存在する。
これらの生物の毒性は個体差が著しく、海域や季節による変動も大きいのが特徴である。ほとんどの海産生物毒は、食中毒の原因生物が産生しているのではなく、微生物や微細藻類等が産生し、食物連鎖によって伝搬されるため、このことが毒性の多様性をもたらしていると考えられている。
近年、産業活動や食品流通の国際化、食の多様化に加えて、海洋環境の変化が指摘されており、われわれが認知していない海産生物毒による食中毒の発生が危惧される。
本講演では、海産生物毒の概要について紹介し、食中毒を未然に防ぐために、われわれができること、そして将来のために、今やらなければならないことを提案したい。

1. 新たな感染症の発生と対応 −日常感染症のキャッチが最重要−

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日 時:平成26年10月9日(木)15:30〜17:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:川崎市健康安全研究所 所長 岡部 信彦 先生

【内 容】
感染症に対する危機管理という言葉に触れることが多いが、日常的疾患の動向を知ることによって初めて例外的な疾患、危機的な疾患の存在が明らかになり、その対応が可能になる。臨床現場での経験をその臨床医一人だけのものに終わらせず、地域、市区町村、都道府県そして国単位へと集積されることによって一人の臨床医の経験は広がり、その結果は国際的にも有用な情報となる。集積されたデータは当然ながら地域・臨床現場へフィードバックされ、人々の感染症のリスク低減に利用されなければいけない。
サーベイランスによって基本的な情報(ベースライン)が得られたところで、そこからの異常発生を感知した場合には速やかに何らかの対応・干渉を行う必要がある。このベースラインを超えたかどうかの判断は、常日頃サーベイランスデーターを見ることによってそのセンスが培われる。サーベイランスは、辞書作り的な地味さと同時に、異常の検知とそれに対する対応を迅速にとれるようにしておくことが重要である。サーベイランスの最大の目的はデータづくりではなく、行動(アクション)をとり、感染症発生をできるだけ小規模に抑えるところにある。
今回の研修では、新たな感染症・稀有な感染症の検知と対応の例などを含め、日常感染症のキャッチの重要性をご紹介する予定です。

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平成25年度 専門技術研修(学術講演)

2. エンテロウイルス感染症の動向と環境水サーベイランスについて

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日 時:平成26年2月25日(火)14:30〜16:30
会 場:神奈川県衛生研究所 6 階 大会議室
                   神奈川県茅ヶ崎市下町屋1- 3 -1
講 師:国立感染症研究所 ウイルス第二部  主任研究官 吉田 弘 先生

【内 容】
 エンテロウイルスは、たいへん馴染みのあるRNAウイルスであるかもしれない。コクサッキーウイルス、エコーウイルス、ポリオウイルスという名称で知られており、現在では100種類以上に分類されている。ウイルスは経口感染により、ヒトの粘膜、特に腸管上皮で増殖し糞便中に排泄される。
 種類によりポリオ、夏かぜ、無菌性髄膜炎、ヘルパンギーナ、発疹、下痢、手足口病等、多様な症状を引き起こすが、ほとんどの場合は不顕性感染である。このうちポリオは、疾病負担が大きい故に、経口生ポリオワクチン(OPV)を用いた世界ポリオ根絶計画が進行中である。
 糞便中に排出されたウイルスは下水道に集約されるため、処理場への流入水を定期的に調査することで、顕性、不顕性に関わらず地域で流行しているエンテロウイルスを捕捉できる可能性がある。
 わが国では2012年9月より従来のOPVに替え、不活化ポリオワクチン(IPV)が導入された。IPV導入後、輸入が想定される野生型ポリオウイルスを効率よく監視するため、2013年より下水を対象とした環境水サーベイランスが感染症流行予測調査事業の一環で始まったところである。
 今回のトピックスとして、最近のエンテロウイルス感染症の動向、及び新たに開始した環境水サーベイランスについて概説したい。

1. 山菜と間違えやすい毒草から 麻薬の原料となる植物について

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日 時:平成25年10月31日(木)14:30〜16:30
会 場:神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:東京都 福祉保健局 健康安全研究センター 
薬事環境科学部 医薬品研究科 薬用植物園  主任研究員  阿部 朋弘 先生

【内 容】
  ‘天然’‘自然’と聞くと、「身体にいいもの」「安全なもの」と考えがちです。しかし、自然の植物にも毒を含むものがあります。例えば、トリカブトやイヌサフランといった毒草を山菜と間違って食べたために食中毒が発生していることは、聞いたことがあるのではないでしょうか。
 それだけでなく、植物の中には、麻薬成分を含むため日本国内で栽培・所持が禁止されている植物もあります。近年、青少年による不正栽培が社会問題となっている大麻は、その代表格です。また、園芸業者が知らずに阿片の原料となるケシを栽培し、新聞沙汰になったこともあります。
 このように、植物の中には、食用になるもの、薬用になるものがある一方、有毒成分や麻薬成分を含むものがあります。日本には、これらの有毒植物が、身近なものだけで200種類くらいあると言われており、普段の生活の中で、知らず知らずのうちに有毒植物に接していることも少なくありません。
 今回の講演では、山菜と間違えやすい毒草の見分け方や、道端で偶然見かける可能性のある麻薬原料植物等について解説します。有毒植物について正しい知識を持ち、健康被害を未然に防止していただくと同時に、東京都薬用植物園にも興味を持っていただければ幸いです。

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平成24年度 専門技術研修(学術講演)

2. 生食用食肉の規制について

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日 時:平成25年1月15日(火)15:00〜17:00
会 場:神奈川県衛生研究所 6 階 大会議室
                   神奈川県茅ヶ崎市下町屋1- 3 -1
講 師:国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部
             部長  山本 茂貴 先生

【内 容】
   平成23年のユッケによる腸管出血性大腸菌食中毒により5名の方がなくなられたことにより、生食肉の規格基準を制定することとなった。生食肉の規格基準ができたとしてもリスクはゼロにはならない。もともと食肉の生食は高いリスクがあるものであることを認識するべきである。しかしながら、生で食べられる規格基準を設定すると決めたことから、Codex委員会が推奨する国際的に通用する考え方を基に策定することとした。
   すなわち、食品微生物の規格基準設定に際して、公衆衛生上の目標値であるALOP(appropriate level of protection、年間患者数など)を設定し、それを達成するためのFSO(food safety objective、摂食時安全目標)、フードチェーンのどこかの段階で設定するPO(performance objective、達成目標)、POを達成するためのPC(performance criterion、達成基準)、さらに、それらを検証するためのMC(microbiological criterion、微生物規格)などの数的指標が用いられた。今回のサンプリングプランを含む腸内細菌科菌群を指標とした規格基準は、我が国初めての国際的規格基準設定方法に沿った基準である。さらに、PCとして肉の表面から10mmのところで2分間加熱する根拠についても説明する予定である。
   一方、生レバーは販売禁止となったわけであるが、これについてもその根拠を説明する。

1. 新しいドラッグ 脱法ハーブの本当の怖さ

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平成24年10月19日(金)15:00〜17:00
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:帝 京 科 学 大 学 医 療 科 学 部
                 教 授 小 島 尚 氏

【内 容】
   第3次薬物乱用期と言われて久しいが、沈静化する様子は見えない。その要因としては、錠剤型合成麻薬や合成大麻などの新しい薬物の存在があげられ、従来の薬物乱用とは大きく様相が異なっている。さらに、このような薬物が規制されると、麻薬や覚せい剤のような多幸感や快感を目的とした化学物質や植物を含む違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)が出現する。
  そこで、このような乱用物質を迅速に規制するため、平成19年度より乱用の実態と健康への危険性から薬事法で規制できる指定薬物制度がスタートした。
  しかし、わずかに構造が異なる新規物質がすぐに出回り、乱用薬物の規制と新規薬物の出現とのイタチゴッコが繰り返されている。
  最近、脱法ハーブに関連する事件や事故が数多く発生し、マスコミも頻繁に取り上げたり、アメリカで発生した入浴剤(いわゆるバスソルト)事件も話題となるなど、新規薬物は大きな社会問題となっているが、その実態や危害性を正しく理解しているとは言い難い。

  今回の講演では、「脱法ハーブとは何か?」、「なぜ、脱法ハーブは危険か?」、「どんなハーブも危険なのか?」などの疑問に、最新の知見を含めてお答えするとともに、脱法ハーブなどの本当の怖さを解説します。

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平成23年度 専門技術研修(学術講演)

2. 喘息に関連する呼吸器ウイルスについて

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平成24年3月8日(木)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:国立感染症研究所 感染症情報センター
         第六室長(ウイルス研修室)木村 博一 先生

【内 容】
   昔から「かぜは万病のもと」という言い伝えがあります。かぜがきっかけとなる合併症の一つに喘息があります。最近のデータでは、先進諸国での喘息の罹患率は、全人口の10〜15%、さらに本邦では年間約数千人がこの疾患で亡くなっていることが推定されています。さらに、今後、多くの国において、本疾患は罹患率、死亡率ともに増加すると考えられております。以前までは、主に食物、ハウスダストやタバコの煙などが喘息の発症や悪化(増悪)に関与すると考えられていました。しかし、最新の知見では、喘息・喘鳴の発症や増悪の主な原因は、呼吸器に感染するいろいろな病原体が密接に関与することが明らかになってきました。現在のところ、急性呼吸器感染症を引き起こす病原体の80%以上は、ウイルスが原因であると推定され、その種類はわかっているだけでも数百種類以上あります。しかし、喘息に関与するウイルスの種類や発症・増悪のしくみについては、多くのことが解明されていないのが現状です。今回の講演では、喘息に関連すると思われるウイルスの種類、その性質(ウイルス学的・遺伝学的)やウイルス感染による喘息の発症・増悪のしくみについて最新の情報をもとにわかりやすくお話しいたします。

1. 食品の放射能汚染と安全性

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平成23年10月28日(金)14:30〜17:00
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:帝京平成大学 健康メディカル学部  
                 (国立保健医療科学院客員研究員)
                     教 授 杉 山 英 男 氏
 
【内 容】
   2011年3月11日に発生した東日本大震災に伴う地震と津波の被害により、東京電力福島第一原子力発電所では、全電源を喪失して原子炉を冷却できない状態に陥った(福島第一原発事故)。事故を起こした原子力発電所では、原子炉と使用済みの燃料プールを冷却する作業が、現在も進行中である。
  この福島第一原発事故では、炉心溶融および水素爆発が発生し、人的要因も重なって、国際原子力事象評価尺度では最悪のレベル7(深刻な事故)に位置付けられた。チェルノブイリ原子力発電所事故と並ぶ史上最悪の原子力事故の一つとなった。この事故により多量の放射性物質が外部環境に放出され、現在、広範囲に及ぶ土壌および海洋、食品等の汚染が引き起こされている。
  この5月には、福島第一原発からはやや距離があるとみられていた神奈川県の西部あるいは北部地域においても、茶葉(一番茶)から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されて出荷停止措置がとられた。
  今回は、未曽有なこの深刻事故に伴い、人への健康影響が心配される食品の放射能汚染とその安全性について、“放射能と放射線の基礎”、“チェルノブイリ原発事故等”、“被ばくと健康影響の考え方”、“暫定規制値と安全性の確保”、“福島第一原発事故に伴う食品の放射能汚染の現状”などの項目に分けて概説します。

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平成22年度 専門技術研修(学術講演)

3. 行政対応上考慮が必要な 新型多剤耐性菌
2. 魚介類の有毒・有害化学物質〜自然毒とアレルゲンを中心として〜
1. 検査の正しさをどのように説明するか?〜分析に求められる信頼性とその保証〜

3. 行政対応上考慮が必要な 新型多剤耐性菌

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平成23年1月14日(金)14:30〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講師: 国立感染症研究所 細菌第二部 部長
                  荒 川 宜 親 先生

【内 容】
  1940年代にペニシリンの工業的大量生産が開始され、1980年代にかけ、相次いで各種の新型抗菌薬が開発され、細菌感染症の治療は大幅に進歩しました。しかし、それと相まって、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などのグラム陽性菌の多剤耐性菌が医療現場で大きな問題となりました。1990年代に入ると、カルバペネムを含む広域β-ラクタム薬に耐性を獲得した緑膿菌などが出現し、さらに、特に我が国では、フルオロキノロン系やアミノ配糖体系などにも広範な耐性を獲得した、いわゆる多剤耐性緑膿菌(MDRP)が医療現場で大きな関心事となって来ました。それと並行して、欧州では、多剤耐性を獲得したアシネトバクター・バウマニが出現し、特にICU(集中治療室)に収容されている患者での肺炎などの原因として注目されるようになり、それらは、現在、世界中の医療現場で大きな問題となっています。さらに、2000年代に入ると、米国で、KPC型のカルバペネマーゼを産生し多剤耐性を示す肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)が出現し、現在、欧州、中東、中国など世界中から、同種の多剤耐性菌が検出されるようになりました。2008年頃より、インドやパキスタン地域を旅行したりその地域で医療行為を受けた人より、NDM-1と命名された新しいメタロ-β-ラクタマーゼを産生する多剤耐性肺炎桿菌や大腸菌が検出されはじめ、それらの今後の広がりが、世界的に大きな懸念材料となっています。

  今回は、国立感染症研究所の荒川先生に、上記のような医療関連感染症の起因細菌のみならず、カンピロバクター、サルモネラ属菌、病原性大腸菌、赤痢菌などにおいても薬剤耐性菌が出現していることから、院内感染の発生時や食中毒の集団発生時などにおける行政対応や対策についてもお話ししていただきます。

2. 魚介類の有毒・有害化学物質〜自然毒とアレルゲンを中心として〜

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平成22年10月22日(金)15:00〜17:00
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講師: 東京海洋大学食品生産科学科教授
                  塩見 一雄 先生

【内 容】
  魚介類は重要なタンパク質源であるのみならず、ビタミン類や機能性脂質(DHA、EPAなど)に富むヘルシーフードとしても見直されています。一方、魚介類の中には毒成分(自然毒)を持つものが多く、また魚介類は重金属などの有害化学物質を蓄積しやすいことも知られています。本講演では、東京海洋大学の塩見一雄先生に、食品衛生上しばしば問題になっている魚介類の有毒・有害化学物質の中から、先生が研究なさっている次の自然毒とアレルゲン(アレルギー誘発物質)に焦点を絞り、お話ししていただきます。

自然毒:食中毒に関与する動物性自然毒はすべて魚介類由来です。動物性自然毒による食中毒は、発生件数や患者数は少ないが中毒死者が多い(大部分はフグ中毒死者)という点で無視できません。今回は魚介類の毒成分(魚類のフグ毒、シガテラ毒、パリトキシン様毒、二枚貝の麻痺性貝毒、下痢性貝毒、巻貝の唾液腺毒など)の概要の他に、新しいタイプの食中毒(ハコフグ類および巻貝キンシバイによる中毒)の紹介や、また、「フグ毒=テトロドトキシンは正しいか?」「南方系中毒(シガテラなど)は北上しているか?」といった最近の話題も取り上げていただきます。
アレルゲン:わが国では食物アレルギーの原因食品として魚介類は大変重要です。アレルギー表示制度でも、表示が義務化されている特定原材料7品目のうち2品目(えび、かに)、表示が奨励されている特定原材料に準ずる18品目のうち5品目(さけ、さば、いか、あわび、いくら)が魚介類です。本講演では、食物アレルギーの基礎知識として食物アレルギーの発生状況と発症機構についての簡単な解説と、魚介類(魚類、甲殻類、軟体動物)のアレルゲンの本体とその諸性状に関する研究の現状について紹介していただきます。

1. 検査の正しさをどのように説明するか? 〜分析に求められる信頼性とその保証〜

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平成22年6月11日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講師: 国立医薬品食品衛生研究所 食品部 第三室長  
                 渡邉 敬浩 先生

【内 容】
  ある対象が、定められている規格基準に適合しているか(していないか)を判定するための一連の行為が、「検査」であると言えます。規格基準が、「値」といった計測可能な「量」や「数」として定められていれば、これを知るために検体を採取し、分析が行われます。
  「不適合」の判定が社会に大きな影響を及ぼす場合もあることから、当然ながら検査には正しさが求められます。では、この「検査の正しさ」はどのように説明できるのでしょうか。
  真の量や数(真値)は、誰も知り得ません。一方で、私たちが分析を通じて得られる値(分析値)は、真値の推定値です。その分析値がどれだけ信頼できるのかを、データや科学的に裏付けられた理論によって保証することが、ひいては「検査の正しさ」を説明することになると思われます。
  本講演では、分析の信頼性を保証するための取り組みや考え方(サンプリング、分析法のバリデーション、精度管理、不確かさ等)について、国際的な動向も含めて、渡邉敬浩先生にお話しいただきます。

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平成21年度 専門技術研修(学術講演)

 4.  ソフトコンタクトレンズ装用者に発生するアメーバ性角膜炎などの自由生活性アメーバによる健康被害について
 3.  心血管疾患予防のための運動 〜生活習慣病の予防に向けて〜
 2.  神奈川県における新型インフルエンザ 〜その取組みと検査体制について〜
1. 2012年国内からの麻疹排除を目指して〜今できる麻疹・風疹対策とは〜

4.  ソフトコンタクトレンズ装用者に発生するアメーバ性角膜炎などの自由生活性アメーバによる健康被害について

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平成22年2月12日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1   
講師: 国立感染症研究所寄生動物部  
                 八木田 健司  先生

内 容:
国民生活センターが平成21年12月16日にソフトコンタクトレンズ用消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能の試験結果を公表しました。ソフトコンタクトレンズ装用者にみられるアメーバ性角膜炎が、アカントアメーバという自然環境中に生息する自由生活性アメーバにより引き起こされるためです。アメーバ性角膜炎の患者数は、ソフトコンタクトレンズの使用が増えるとともに増加し、失明などの重症例も報告されています。また、自由生活性アメーバはレジオネラ属菌の環境中での宿主として、菌による環境の汚染さらにはレジオネラ感染症の問題にも深く関係しています。
今回、自由生活性アメーバによる健康被害とその予防法などについて、八木田健司先生からお話しいただきます。

3. 心血管疾患予防のための運動 〜生活習慣病の予防に向けて〜

ポスターこちら

平成21年12月17日(木)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1   
講師: 東京医科大学 健康増進スポーツ医学講座  
                  教授 勝村 俊仁 先生

内 容:
近年、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの冠危険因子の有病率の増加と、それに続発する心血管疾患の増加が大きな健康問題となっています。冠危険因子は相互に合併することが多く、合併した場合には心血管疾患発症リスクが増大することが知られており、合併する危険因子の数が多いほど、また、個々の危険因子の重症度が高いほど、リスクはより上昇します。したがって、冠危険因子発症の予防とともに重症化を防止することも重要です。
   危険因子の予防・改善には適切な生活習慣(食事、身体活動)が不可欠であり、特に、運動習慣の重要性は古くから指摘されています。また、これまでに数多くの疫学的研究により、運動の効果を得るにはどの程度の運動強度がよいのか、どのくらいの時間運動を行えばよいのかなどについても明らかにされてきています。
  今回、冠危険因子の予防改善に効果的な身体活動について、疫学研究、臨床研究のデータを交えて、総合的に勝村俊仁(かつむらとしひと)先生からお話しいただきます。

2. 神奈川県における新型インフルエンザ 〜その取組みと検査体制について〜

ポスターこちら

平成21年10月2日(金)13:30〜15:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1   
講師: 神奈川県衛生研究所  
                  所長 玉井 拙夫/専門研究員 齋藤 隆行

内 容:
近年、東南アジアを中心に鳥型インフルエンザが流行しており、このウイルスが鳥から人に感染する事例が数多く報告されています。このような鳥インフルエンザや豚インフルエンザのウイルスが変異することにより、人から人へ感染する新型インフルエンザウイルスが出現する可能性が危惧されています。
  新型インフルエンザは、毎年流行を繰り返してきた季節性インフルエンザウイルスとは表面の抗原性が全く異なる新型のウイルスが出現することにより、およそ10年から40年の周期で発生しています。新型インフルエンザウイルスに対しては、人類のほとんどが免疫を持っていないために、世界的な大流行(パンデミック)が引き起こされ、大きな健康被害とこれに伴う社会的影響が懸念されています。また、秋冬に向けて全国的かつ大規模な患者数の増加を見てもおかしくない状況にあり、基礎疾患を有する人等で重症患者が増加する可能性もあります。
  我が国では、新型インフルエンザ対策を国家の健康危機管理に関わる重要な課題と位置付け、流行に備えた準備を
早急に進めています。
  感染の広がりをできる限り抑え、健康被害を最小限にとどめるとともに、社会・経済を破綻させないために、国における対策はもちろんですが、自治体や企業、さらには国民一人一人が正しい知識を持ち、必要な準備を進め、実際に新型インフルエンザが発生した際に、適切に対応することが大切です。
  今回、2009年に発生した新型インフルエンザへの各担当部局の取組みと連携・協力の現状と医療体制について、当所所長から医師の立場でお話しさせていただきます。また、当所における新型インフルエンザの検査体制について検査の最前線で業務にあたった齋籐専門研究員9からお話しさせていただきます。

1. 2012年国内からの麻疹排除を目指して〜今できる麻疹・風疹対策とは〜

ポスターこちら

平成21年5月22日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講師: 国立感染症研究所感染症情報センター  
                 第三室(予防接種室)室長 多屋 馨子 先生

2007年春に思春期から若年成人を中心に麻疹の国内流行が起こりました。大学や高等学校が次々麻疹で休校となり、ワクチンの不足や麻疹抗体測定用の検査キットの不足など、これまでに起こったことがない社会現象にも発展しました。厚生労働省は、2007年12月28日に「麻しんに関する特定感染症予防指針」を告示して、2012年度までに国内から麻疹を排除eliminationし、その状態を維持することを目標に決めると宣言しました。日本を含むWHO西太平洋地域の麻疹排除の目標年も2012年です。この目標を達成するためには、輸入例を除いて1年間に人口100万人あたり患者数が1人未満となること、2回の予防接種率がそれぞれ95%以上になること、等が必要とされています。そこで国は、2008年1月1日から麻疹と風疹をこれまでの定点報告疾患から全数報告疾患に変更し、麻疹あるいは風疹と診断したすべての医師に、最寄りの保健所に届け出ることを義務づけています。また、2008年度から、これまで1回しか接種機会がなかった中学1年生と高校3年生に相当する年齢の者に対して、5年間の時限措置として、2回目の麻疹・風疹ワクチンを定期接種に位置づけました。しかし、2008年12月末現在の接種率は低迷しており、中学1年生相当年齢の者の接種率は66.1%、高校3年生相当年齢の者の接種率は58.2%と目標の95%にはまだまだの状況であることがわかりました。この結果を受けて、2009年2月20日に国の麻疹対策推進会議が開催され、年度末までの更なる接種勧奨と、次年度以降の麻疹対策について、議論がなされました。2008年は11,007人の麻疹患者報告があり、その内9人が麻疹脳炎を合併し、後遺症を残されている方もいらっしゃいます。麻疹(=はしか)は決して子どもの軽い病気ではありません。行政、教育、医療の各分野が連携して、ともに日本の麻疹排除に向けて取り組んでいくことが必要です。今、私たちにできることは、何でしょうか。できることから始めてみませんか。
今回、国内からの麻疹排除を目指して、今できる麻疹・風疹対策等につきまして、多屋馨子(たやけいこ)先生からお話していただきます。

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平成20年度 専門技術研修(学術講演)

5.器具・容器包装及び玩具の規格基準改正について

4.レジオネラの管理基準、分子疫学、検査法および感染事例

3.食品の安全性をどう考えて評価するか

2.食品を汚染する「カビ毒」の健康被害ってなんだろう

1.肝炎ウイルスをめぐる今日の話題
                      − C 型およびE 型肝炎ウイルスを中心に −

5. 器具・容器包装及び玩具の規格基準改正について

ポスターこちら

日 時:平成21年2月27日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:国立医薬品食品衛生研究所
                添加物部第三室長 河村 葉子 先生

調理器具・食品用容器包装と乳幼児用玩具は、食品衛生法で安全性に関する基準が定められていますが、近年、輸入の調理器具や玩具で鉛の検出による回収事例が相次ぎ、問題となりました。器具・容器包装と玩具については、従来から国際的な規格を参考に規格強化の方向で検討されており、昨年、規格基準が改正されました。
今回は、規格基準改正の中心となって活躍された河村葉子先生を講師としてお招きし、玩具塗膜に関する規格の新設、器具・容器包装に使用される金属、ハンダ中の鉛含有量、ガラス、陶磁器、ホウロウ引き製器具・容器包装からのカドミウム及び鉛溶出量の規格基準値の改正などの内容とその背景について、お話しいただきます。
また、現在検討されている問題についてもご紹介いただきます。

4. レジオネラの管理基準、分子疫学、検査法および感染事例

ポスターこちら

平成20年12月18日(木)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講 師:国立感染症研究所細菌第一部
                倉 文明 先生


   循環式入浴施設における大規模な集団感染事例が平成12年及び平成14年と断続的に起こり、その後、レジオネラ感染に係る入浴施設の衛生管理が強化されてきました。入浴施設のレジオネラの管理基準は、平成11年の旧厚生省生活衛生局通知以来、新版レジオネラ症防止指針付録1の検査方法によって検出されないこと(検出限界10 cfu/100mL)となっています。この水準はヨーロッパや米国のレベルと同様です。
  現在、53種のレジオネラ属菌(内一種は暫定菌種)が報告され、そのうち、25種の菌の感染が肺炎患者由来の菌体・DNAの検出、患者血清抗体価上昇により確認されています。その中でも Legionella pneumophila血清群1が環境中にも、また患者分離株としても多く確認されています。
  発生動向調査によるとレジオネラ症の届出は、2005年以来急増しています。また最近、集団感染事例が散見されるようになってきました。
今回、倉文明先生から、レジオネラの全般的な話や疫学解析手法、検査法、感染事例等を紹介していただきます。

3. 食品の安全性をどう考えて評価するか

ポスターこちら

平成20年10月31日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講師:内閣府食品安全委員会 委員
                本間 清一 先生


   食生活が豊かになる一方で、食の安全を脅かす問題が後を絶ちません。私たちが口にする食べ物は、必ずしも安全とは限りません。食の安全確保のため、食品に存在する「人の健康に影響を及ぼす可能性のある危害要因」の強さと発生頻度を科学に基づき、中立・公平に評価(リスク評価)して行くことが今まで以上に強く求められています。
   今回、日本の食品安全行政で重要な役割を担っている食品安全委員会の本間清一先生から、BSE(牛海綿状脳症)に係わる安全性評価に始まり、最近の事故米(汚染米)に含まれる農薬問題等まで、様々な事例を通して、食品の安全性の考え方や評価についてお話しいただきます。

2. 食品を汚染する「カビ毒」の健康被害ってなんだろう

ポスターこちら

平成20年8月28日(木)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講師:国立医薬品食品衛生研究所 衛生微生物部長
                小西 良子 先生


   私たち日本人は古くから酒・味噌・醤油などの発酵食品を通して、カビを有効に利用してきました。また、カビの作り出す化学物質のうち、ペニシリンなどの抗生物質は医薬品として生活に役立っています。
  一方、ピスタチオやピーナッツを汚染することで知られているアフラトキシンなど、カビの作り出す有害化学物質は「カビ毒」と呼ばれて、その食品汚染は食中毒などの急性毒性だけでなく、発ガン性などの慢性毒性を引き起こす恐れから問題となっています。特に食料の約6割を海外に依存している日本にとっては、輸入食品のカビ毒汚染への対策は、重要な課題となっています。
  本講演では食品のカビ毒汚染の現状、健康被害防止に向けたカビ毒汚染対策、国際的な動向などについて、カビ毒研究の最前線で活躍されている、国立医薬品食品衛生研究所の小西良子先生にお話いただきます。

1. 肝炎ウイルスをめぐる今日の話題
− C 型およびE 型肝炎ウイルスを中心に −

ポスターこちら

平成20年5月30日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1
講師:自治医科大学 感染・免疫学講座 ウイルス学 部門 
                 教授 岡本 宏明 先生

   肝炎ウイルスにはA型 B型 C型 D型 E型の5種類があります。A型とE型は経口感染ですが、B型とC型、そしてB型をヘルパーとするD型は血液を介して感染し、持続感染により慢性肝炎、肝硬変、肝がん等の原因ともなります。血液製剤による感染が訴訟問題としてマスコミ等でも大きく取り上げられたこともあり、C型肝炎は、今、非常に大きな関心を集めています。また、生のしか肉や半生の豚の肝臓等を食べたことで、日本でもE型肝炎が発生したことから、食の安全とも関連してE型肝炎もまた社会的関心を集めています。
   岡本先生は自治医科大学において長年、肝炎ウイルスの研究に取り組み、C型肝炎ウイルスに関しては世界で初めてその全塩基配列を明らかにし、また、E型肝炎ウイルスに関しても日本の豚における感染状況を最初に明らかにするなど、非常に優れた研究成果を数多く上げております。今回は、これらC型 E 型に加え、B型肝炎ウイルスも含め、今、日本で問題となっている肝炎ウイルスの全貌を、分かり易くお話しいただきます。

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平成19年度 専門技術研修(学術講演)

5.住民の健康状態を看視する

4.輸入感染症の今

3.健康危機管理の対応

2.医薬品による水環境の汚染

1.カンピロバクター食中毒の予防と対策 − 農場から食卓まで −

5.住民の健康状態を看視する

−地域住民の健康危機管理対策−
ポスターこちら

平成20年2月1日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師: 国立医薬品食品衛生研究所
                    医薬安全科学部第4室長    林 譲 先生

  近年、地域住民の健康状態を看視するための研究(ヘルスヴィジランス)が注目されています。この研究では、インフルエンザなどの感染症はどのように広がっていくのか、目に見えない感染経路や感染のスピードを薬局でのその治療薬の売り上げを利用して推定します。
  この手法は、既存の情報(データ)を基に、インフルエンザの流行予報、生物テロなど異常事態の早期把握や食中毒感染経路の特定等の健康危機管理対策に応用できます。
  今回、ヘルスヴィジランスの発案者である国立医薬品食品衛生研究所の林譲先生に、公衆衛生分野や医療分野での健康危機管理対策への新しい手法について、解説いただきます。

4.輸入感染症の今

−神奈川県における輸入感染症を中心に−
ポスターこちら

平成19年12月12日(水)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師: 横浜市立市民病院
                    感染症部長   相楽 裕子 先生

 我が国の2007年海外旅行者は、 史上最高の1,800万人に達すると見込まれ、また、訪日旅行者は近隣アジア諸国からの入国者の伸びにより、770万人が見込まれています。さらに、海外からの食品の輸入はカロリーベースで61%を占め、海外に大きく依存しています。このように海外との人と物の交流が盛んになるにつれて、人や物を介した輸入感染症の増加が懸念されています。
  神奈川県においても、この数年、従来の赤痢、チフスなどの感染症に加えて、狂犬病、レプトスピラ、A型肝炎などの輸入感染症の新しい事例に遭遇しています。
  今回は、腸管感染症、輸入感染症の専門家であり、これら事例への対応に直接携われている横浜市立市民病院感染症部長の相楽裕子先生に、これまでの事例を含め、輸入感染症の臨床経過と感染予防対策について、お話しいただきます。

3.健康危機管理の対応

−新型インフルエンザ対策ガイドライン−フェ−ズ4以降―を中心に−
ポスターこちら
公演資料(10MB)こちら

平成19年10月3日(水)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師: 国立感染症研究所
                   感染症情報センター長   岡部 信彦 先生

 高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の世界的流行、散発的な人への感染等、新型インフルエンザの出現が強く懸念されています。世界保健機関(WHO)の公表によれば、2003年11月以降の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の患者の発生状況は、2007年3月20日現在、発生国12 か国、患者数281人(死亡者169人)となっています。国においては、平成18年6月「インフルエンザウイルス(H5N1)ガイドライン−フェーズ3−」を示し、さらに、平成19年3月「フェーズ4以降」について13のガイドラインを策定しました。
  今回は、 厚生労働省「新型インフルエンザ専門家会議」の委員として、インフルエンザウイルス(H5N1)ガイドラインの策定に係っています岡部信彦先生に、ガイドラインの概要、特に、公衆衛生従事者や医療従事者等に求められる健康危機管理対応等について、お話しをいただきます。

2. 医薬品による水環境の汚染

ポスターこちら

平成19年7月13日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師: 国立大学法人 東京農工大学
                   農学部環境資源科学科  准教授 高田 秀重 先生

 私たちは日常生活の中で合成洗剤、医薬品、プラスチック等様々な化学物質を使っています。近年、 これら日常生活で使用される化学物質(Everyday chemicals)による水環境の汚染が問題視されて います。特に医薬品は生理活性を持った化合物であるため、万一飲料水中に混入した際には健康影響 を及ぼすことが懸念されます。
  本講演では、国内の下水道や河川水の医薬品類による汚染実態や浄水処理過程における動態、畜産排水に由来する抗生物質汚染について、さらに東南アジアをはじめとする海外における医薬品による水環境汚染の広がりについて、最前線で研究をされている東京農工大学の高田先生にお話しいただきます。

1. カンピロバクター食中毒の予防と対策
− 農場から食卓まで −

ポスターこちら

平成19年5月18日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師::埼玉県衛生研究所 
                 食品媒介感染症担当主任 小野 一晃 先生

 近年全国的に 、「カンピロバクター」という細菌による食中毒が数多く発生しています。鶏・牛などの家畜の腸内にいる細菌で、食肉処理時にこれらの肉に付着することがあります。中でも鶏肉からは高い割合で検出され、カンピロバクター食中毒は生肉の扱い方のミスが原因となっています。
  今回、発生源である食鳥処理場、流通段階、保存方法での汚染状況等、カンピロバクターの研究に長年携わってこられた埼玉県衛生研究所の小野一晃先生に、家庭・飲食事業関係・学校給食施設でのカンピロバクター食中毒の予防・対策についての最新情報と埼玉県での取り組み等について、わかりやすくお話しいただきます。

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平成18年度 専門技術研修(学術講演)

5.食物アレルギーとは
4.ノロウイルスによる食中毒・感染症の現状と対策
3.ヒューマンエラーを未然に防ぐ

2.輸入食品の安全を確保するために

1.緊急時における健康危機管理と対策
        − 高病原性鳥インフルエンザ、放射能もれ事故、井戸水のヒ素汚染について −

5.食物アレルギーとは

ポスターこちら

平成19年2月16日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師:独立行政法人国立病院機構相模原病院臨床研究センター
        アレルギー性疾患研究部長 海老澤 元宏 先生

現在、我が国では国民の3人に1人が何らかのアレルギーを持っているといわれています。特に食物アレルギーは、最近15 年ぐらいの間に急増しており、小児から成人まで幅広く認められ、症状が重篤で生命に関わるケースもみられ、日本や欧米などの先進国で非常に大きな問題となっています。
  食品の西洋化・多様化に伴い、最近では、様々な食品でアレルギーが発症し、果物・野菜・魚介類等、以前はみられなかった食品での食物アレルギーが報告されています。
  今回は、臨床医としてアレルギー疾患の治療に携わっている傍ら、厚生労働省食品表示研究班アレルギー表示検討会委員としても活躍されている相模原病院臨床研究センターの海老澤元宏先生に、食物アレルギーの原因・症状・予防法・対応策等についての最新情報をわかりやすくお話しいただきます。

4.ノロウイルスによる食中毒・感染症の現状と対策

ポスターこちら

平成18年11月30日(木)14:30〜17:00
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師:国立感染症研究所    客員研究員 西尾 治 先生

  厚生労働省に届けられた食中毒事件のうち、病因物質別の患者数ではノロウイルスが2001 年以降5 年連続で1 位を占め、さらに毎年増加傾向がみられています。今や食中毒ではノロウイルス対策が急務です。またノロウイルスが原因の急性胃腸炎が学校や病院などで多発しています。ノロウイルスによる食中毒・感染症が多発する要因は感染力が非常に強く、感染力を長期間保持するためです。しかもノロウイルスは物理化学的抵抗が強く、70%アルコール、逆性石鹸、強酸性水、熱にも強く、85℃で1 分以上加熱しないと不活化できません。
  ヒトの側ではふん便・吐物から大量にウイルスを排出し、排出は1 週間程度持続し、ほんのわずかなふん便・吐物が食品に付着することで大規模な事件となります。本講演では、ノロウイルスによる食中毒や感染症の現状、それらを防止するための対策についてお話をいただきます。

3.ヒューマンエラーを未然に防ぐ

ポスターこちら

平成18年10月27日(金)14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師:(財)労働科学研究所 主任研究員 細田 聡 先生

  日常業務を実施していく上に潜む危険やミスの回避には、私たち人間が起こしがちな失敗(ヒューマンエラー )を科学的に解明し、「 誤りやすき存在 」としての人間の特性を理解することが必要です。
  私たちが起こす「思いこみ」や「うっかり」による失敗について科学的に、また体験的に理解を深め、新しいリスクマネジメントの視点や安全行動についての「気づき」を得ることです。
  しょせん人間はミスをするのであって精神力や気合で防げるものではありません。ミス(衛生検査や臨床検査に携わる者にとっての関心は検査ミス)の発生には種々の背後要因が存在します。
 本講演では、ミス発生にいたる人間の心理面、業務システム、環境等の問題について、またミスの発生防止のための取り組みについてお話いただきます。

2.輸入食品の安全を確保するために

ポスターこちら

平成18年8月25日(金曜日) 14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師:厚生労働省横浜検疫所  輸入食品・検疫検査センター長
                 加地 祥文 先生

  近年、食品の安全性に対する関心が世界的に高まってきています。特に、輸入食品への依存度の高い我が国では、その安全性をいかに確保するかがますます重要な課題となっています。
  東日本における水際の検査拠点としての横浜検疫所では、全国各地の検疫所から送られてくる輸入食品について、食品添加物(加工食品)、残留農薬(野菜、果実など)、残留動物用医薬品(食肉、魚介類)、カビ毒(穀類、豆類など)、放射性物質などの高度な試験検査を行っています。
  今回は、輸入食品・検疫検査センター長の加地祥文先生に、輸入食品の種類・量・検査項目の変遷、安全確保対策、本年5月に導入されたポジテイブリスト制への取組等を含め、センター業務の現状と課題等についてお話しいただきます。

1.緊急時における健康危機管理と対策
− 高病原性鳥インフルエンザ、放射能もれ事故、井戸水のヒ素汚染について −

ポスターこちら

平成18年7月5日(水曜日) 14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室
                   茅ヶ崎市下町屋1-3-1

講師:茨城県衛生研究所長 
                 土井 幹雄 先 生

 2003年から東アジアを中心に始まった高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の流行は封じ込めができないまま、感染者、死亡者数が増加し、感染が拡大しています。
  わが国においても昨年、各地で高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染が発生し、茨城県において もニワトリの感染の確認、焼却処分、養鶏従事者や防疫従事者への健康状態の確認など衛生研究所を中心とした感染防止対策が実施されました。また、茨城県衛生研究所は1999年に東海村での臨界事故 や2003年の神栖町での井戸水のヒ素汚染事故に対しても精力的に対応されておられます。
  今回は陣頭に立ちこれらの対策を進めてこられた茨城県衛生研究所長の土井幹雄先生に、事件、事故 の緊急時における健康危機管理の進め方などをお話しいただきます。

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平成17年度 専門技術研修(学術講演)

5.違法ドラッグ〜脱法ドラッグ〜合法ドラッグ
4.結核の現状とQFT 検査
3.家庭用品による室内空気汚染に伴う健康影響
        ―健康被害・発生防止のためのリスク評価と情報伝達

2.身近に迫る動物由来寄生虫症の脅威
        ―アライグマ回虫とエキノコックスを中心に

1.室内環境中のアレルゲン
        ―ダニ・ペット由来アレルギー物質の汚染実態と予防・対策― (平成17年6月17日)

5.違法ドラッグ〜脱法ドラッグ〜合法ドラッグ

ポスターこちら

平成18年3月17日(金曜日) 14:30〜17:00
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室 (地図)

講師:東京都健康安全研究センター
         安田 一郎  先 生

 近年、快楽感や多幸感などを高めるなど麻薬や覚せい剤などに類似した「違法ドラッグ」が流通し、麻薬や覚せい剤など規制薬物へのゲートウェイドラッグとも言われ、薬物使用者のすそ野を広げており社会問題となっています。かつては「合法ドラッグ」「脱法ドラッグ」と呼ばれていましたが、現在では「法の規制の間をすり抜けた薬物」ということで、「違法ドラッグ」と呼んでいます。これら薬物には、強い有害な作用や習慣性を持つものも多く、人体に使用すると健康被害が生じる恐れがあり、マジックマッシュルームのように麻薬(原料植物)として後に指定されたものもあります。
 今回、長年、医薬品等の研究に携わってこられた安田一郎先生に、脱法ドラッグの内容成分の変遷を中心に、海外での規制状況、民族薬からの転用状況をお話いただきます。

4.結核の現状とQFT 検査

ポスターこちら

平成18年2月9日(木曜日) 14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室 (地図)

講師:財団法人結核予防会結核研究所 
    抗酸菌レファレンスセンター免疫検査科長  原田 登之  先 生

 我が国の2004年における結核新登録患者は29,736人、死亡者2,328人を数え、罹患率は23.3(対人口10万人)と、先進諸国にあっては結核中蔓延国のレッテルを貼られてしまっています。学校等における集団感染もしばしば発生しており、今後、高齢化社会における再燃性結核の増加も懸念されています。
 結核患者が発生した場合には、保健所による接触者検診が実施され、感染を受けた可能性の高い人に対しては発病の危険性を考慮し、予防内服が行われることになります。従って、感染を受けたかどうかを診断することが重要で、その方法として、従来のツベルクリン反応検査に比べより正確に結核感染を診断できる方法“クォンティフェロンTB-2G(QFT)”が最近開発され、大きな注目を浴びています。
  今回は、結核予防会結核研究所においてQFT検査法に関する研究に携わってこられた原田登之先生に、我が国の結核の現状と結核感染診断におけるQFT 検査の意義について講演いただきます。

3.家庭用品による室内空気汚染に伴う健康影響
―健康被害・発生防止のためのリスク評価と情報伝達―

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平成18年1月20日(金曜日) 14:00〜16:30
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室 (地図)

講師:国立医薬品食品衛生研究所 
    療品部第二室長  鹿庭 正昭 先 生

 身の回りにある家庭用品には、多種多様の化学物質が使用されています。これらの化学物質が原因となる健康被害には、誤飲による急性毒性、皮膚接触によるアレルギー、室内空気汚染によるシックハウス症候群などが知られています。室内空気汚染の発生源については、建築資材が主な要因を占めていましたが、法律の改正等により対策が進み、現在では規制がほんどない家庭用品が問題視されつつあるところです。
 今回、室内空気汚染の発生源として家庭用品に着目し、使用されている化学物質の現状、シックハウス症候群等の健康被害を防止するためにはどうすべきか?表示を含めた家庭用品の問題点は何か?家庭用品を安全に使用するにはどんな点に注意をすればよいのか?等について家庭用品の健康被害について長年研究をしてこられた鹿庭先生にお話をしていただきます。

2.身近に迫る動物由来寄生虫症の脅威
―アライグマ回虫とエキノコックスを中心に―

ポスターこちら

平成17年11月18日(金曜日) 14時から
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室 (地図)

講師:国立感染症研究所 
    寄生動物部室長  川中 正憲 先 生

 県内では、1998年頃から三浦半島を中心にアライグマによる生活被害や農業被害が多発し、生態系への影響を含め社会問題化しています。アライグマ回虫はアライグマの小腸に寄生する回虫で、人や他の動物がそのフンに触れ、虫卵を誤って摂取すると致命的な脳炎(神経幼虫移行症)を起こします。米国では幼児等での死亡例があり、わが国では動物園で飼育中のアライグマのフンからアライグマ回虫が見つかり、同一園内にいたウサギが多数死亡しています。
  また、つい最近、国内では北海道にのみ流行しているエキノコックスが埼玉県の捕獲犬で発見されるという事例がおきました。これは、飼い主と共に北海道から移動する犬に関して、エキノコックス対策の観点からの対応が必要である事を改めて示しています。
 今回、寄生虫症の疫学に永く携わっておられる川中室長に豊富な調査研究データの一部を紹介していただき、これらの寄生虫に対する今後の対策についてもお話しいただきます。

1.室内環境中のアレルゲン
―ダニ・ペット由来アレルギー物質の汚染実態と予防・対策―

ポスターこちら

平成17年6月17日(金曜日) 14時から
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室

講師:独立行政法人国立病院機構相模原病院 
    臨床研究センター室長  安枝 浩 先 生

 現在、国民の3分の1を超える人々が、花粉症、アトピー性皮膚炎等の何らかのアレルギー性疾患に罹っていると言われています。近年の住宅構造の気密化によるダニ、室内で飼育されるペット等、我々の周りには多くのアレルゲンが存在しています。
  今回は、アレルギー性疾患等の免疫異常に関する研究・診療で、わが国の高度専門医療施設に指定されています相模原病院臨床研究センターで、アレルギー反応を多角的に研究しておられます安枝 浩先生に、室内環境中の様々なアレルゲンの汚染実態を中心に花粉症の話も交えて、予防・対策についてお話しいただきます。

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平成16年度 専門技術研修(学術講演)

5.健康危機管理への取り組み
        −感染症事例 (O157等)を通して保健所、衛生研究所、本庁の今後のあり方を考える− (平成17年2月24日)
4.HACCP と試験検査 −食の安全を支えるために− (平成17年1月14日)
3.水際で国民の健康を守る (平成16年10月22日)
2.食品の安全性とリスクコミュニケーション(平成16年8月6日)
1.動物用医薬品の現状と今後の動向 (平成16年7月9日)

5.健康危機管理への取り組み
−感染症事例 (O157等)を通して保健所、衛生研究所、本庁の今後のあり方を考える−

平成17年2月24日(木曜日) 14時から
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室

講師:埼玉県衛生研究所
        感染症疫学情報 医幹   岸本   剛 先 生

近年、SARSや鳥インフルエンザ対策など感染症に対する危機管理、また食の安全確保に対する取組みが重要となってきています。広域的な危機、困難な危機については県庁、保健所等の行政機関と衛生研究所の協力体制が必要となります。
 危機管理は、機関単独でできるものではなく、衛生研究所も含めた関係機関が日常から連携し、組織的に対応することが重要となります。
 感染症の実例を挙げながら、危機管理対応における保健所、衛生研究所、本庁それぞれの役割及び連携の重要性、また、衛生研究所内でのラボ関係部署間連携のあり方など、埼玉県の取組みについてお話しいただきます。

4.HACCP と試験検査 −食の安全を支えるために−

平成17年1月14日(金曜日) 14時から
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室

講師:財団法人 日本食品分析センター
    テクニカルサービス部長    荒木 恵美子 先 生

  近年、食品製造事業者による食品の汚染、検査機関による検査ミスなど、食の安全を 損ない、食の安心を揺るがす事件、事故が発生しています。
   県では、食の安全・安心確保の取組として基本理念(県民の健康の保護を最優先に、 安全で安心な食の確保をめざします。)を定め、それに基づき5つの基本方針を定めま した。その中に「食品関連事業者による自主管理の促進」と「指導、検査の充実強化」 があげられています。
   本講演では、「自主管理の手段としてのHACCP」、「HACCP と試験検査の関係」及び「検査 の信頼性確保」について解説します。また、コーデックス基準など検査に係わる国際的な 話題についても紹介します。

3.水際で国民の健康を守る

平成16年10月22日(金曜日) 14時から
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室

講師:厚生労働省 横浜検疫所
    所長  吉 田 哲 彦  先 生 

近年、人の移動や物の流通は地球規模で急速に拡大し、輸入食品への依存度の高い我が国では、その安全性をいかに確保するかがますます重要な課題となっています。
また、最近話題の SARSや鳥インフルエンザといった新興感染症をはじめ、海外からの感染症の脅威も重大な問題となっています。
そのような中、横浜開港とともに開設され、長い活躍の歴史を持つ横浜検疫所は、病原微生物や有害食品の侵入を、まさしく水際で阻止すべく幅広く活動されております。
今回は、公衆衛生に携わる私どもの業務とも密接な関係にある横浜検疫所の吉田所長に、その歴史や業務内容・検査体制の現状、今後の課題等についてお話頂きます。

2.食品の安全性とリスクコミュニケーション

平成16年8月6日(金曜日) 14時から
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室

講師:(独)食品総合研究所企画調整部 
    国際食品研究官  山 田 友 紀 子  先 生

 食品に関連する事故や感染症の発生などから、食品の安全性に対する関心が世界的に高くなっています。食品安全行政において、近年リスクアナリシスが食品安全確保の有効な手段として活用されています。
  リスクアナリシスは、リスクアセスメント、リスクマネージメント及びリスクコミュニケーションから構成されていますが、リスクコミュニケーションは、有効なリスクマネージメント措置の決定や、消費者、その他の関係者の信頼醸成のために重要な役割を果たします。
  そこで、広範囲な活動を含むリスクコミュニケーションについて、その概要を紹介していただきます。

1.動物用医薬品の現状と今後の動向

平成16年7月9日(金曜日) 14時から
神奈川県衛生研究所 6階 大会議室

講師:農林水産省消費・安全局 衛生管理課 薬事・飼料安全室 
    課長補佐  小 野 哲 士  先 生

 近年、食品の安全性確保の観点から農業生産現場等での動物用医薬品等の農業生産資材の安全対策が重要視されています。動物用医薬品は健康な家畜を飼育し、安全で高品質な畜水産物を安定的に供給するために不可欠な生産資材です。
一方、動物用医薬品は適切に使用されないと畜水産物に残留して人の健康に悪影響を与えるおそれがあることから、さまざまな規制措置が講じられています。
 わが国における動物用医薬品の製造、輸入、販売及び使用の現状と今後の動向等についてお話して頂きます。

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